バーンスワンナイファン夢の中のガーデンハウス

私は生まれてこのかた、生まれ育った日本でも「ホタル観賞」とか「蛍狩り」といったイベントに参加した経験がございません。

実家の裏山の弁天様の泉に、ちらほらと飛んでいるホタルを見たことはありますが、ホタルを求めてどこかに出向いたり活動したりしたことがないので、この旅行で体験したことはもしかしたらよくある話で、一般的には大したことないことなのかもしれません。

でも私にとってそれは、まるでおとぎの国に迷い込んだようなファンタジーな体験でした。

おすすめ

お誕生日にホタル観賞

アンパワー(Amphawa)を目的地に定め、宿探しをしていると、「ホテルの敷地内でホタルが見れる」という書き込みがある宿を発見しました。

アンパワー水上マーケット発の小舟ホタルツアーであんまりホタルいなかったりした場合、ホテルでも見れればホタル見れるチャンスが増えていいかな、と思いつつ、このようなアクティビティや施設の利用状況については、コロナ禍なこともあって行ってみたらやってなかったりすることが多々あるので、とりあえず宿に問い合わせをしてみました。


注目

すると、「ホタル見れます、見たい場合は予約時にホタルを見たい旨をかならず伝えてください」とのこと。

早速予約して「ホタル見たいです。子供の誕生日記念イベントです。」と伝えました。

そうそう、実はこの旅行、息子の誕生日イベントも兼ねていたのです。

すると、「わかりました、ホタル観賞をご希望の場合は、当日19時50分きっかりに、ホテルのフロントに来てください」との返事が。

うう、アンパワー水上マーケット発の小舟でホタルツアーが終わるのが確かそれくらいの時間だから、小舟でホタルツアーに参加したらホテルのホタルに間に合わない。

しょうがないので小舟ホタルツアーはあきらめて、宿のホタルにターゲットを絞ることにしました。

大量のホタルと謎の儀式

当日、宿に到着したのは、すっかり日も暮れた7時過ぎ。

数棟のコテージが並んでいるだけの小さなリゾートで、親切そうな女性が出迎えてくれました。

部屋で一休みした後、7時50分ちょっと前になったので、フロントに行ってみると、到着時に出迎えてくれた女性が
「ちょっとまってね、用意するから。」
と言ってスマホで若いお兄さん(スタッフ)とおじさん(スタッフ)を招集。

どうやらホタル観賞のお客は我が家だけらしい。

というかリゾート全体で、宿泊客はうちともう一部屋、白人のオジサンが2人いるだけらしい。


時間になったので女性とお兄さんとおじさんにつれられて暗闇を歩いていくと、おおいるいる、大きな木に止まってクリスマスツリーのように点滅しているホタルの大群。

そう、タイのホタルって点滅するんですよ。それも一斉に同時に点滅するからまるでクリスマスツリーのライトのよう。

わーいっぱいいるねー、とそれだけでも十分感動だったんですが、そこから謎の儀式が始まっておとぎ話の世界へ!

ホタルの宿に泊まってホタルにとまられる

スタッフのお兄さんとおじさんが、赤いライト(LED?)をとりだし、振り回しながらなにやら呪文を唱え始めました。

「良い子さんたち良い子さんたち、降りてきてお客さんと遊んであげに来てくださいな~。」

というタイ語です。

すると、高ーい木に止まって点滅していた大量のホタルたちが、一斉にこっちに向かって飛んでくるではありませんか。

「うわー!、噛まない?ホタル噛まない?」

と息子と一緒にパニックに陥る私。

「噛まない噛まない。」

とスタッフさんたちにあきれられる。

「お客さん」な私たちと遊ぶために降りてきてくれた「良い子」なホタルさんたち。服や腕にとまって遊んでくれます。

もう人間クリスマスツリー状態!

というのは大げさですが、人懐っこいホタルさんたちにもう感動。


スタッフさんたちの話によると、振り回しているその赤いライトと「良い子さんたち~」の呪文の両方がないとホタルさんたちは来てくれないのだそう。

しかも、その呪文以外のセリフじゃダメなんだそうです。

だから私たちがホタルと戯れている間、スタッフのお兄さんとおじさんは、ずーっとライトを振り回しながら魔法の呪文を唱えてくれていました。

そしてきっかり19時50分から数分の間限定で、それ以前でもそれ以降でもダメなんだそうです。

暗闇の中を舞うたくさんの光と、赤いライトと終わることのない魔法の呪文。

なんというファンタジーな世界。

これってホタルのプロに言わせると普通のことなのかな。日本のホタル鑑賞でも魔法のライトと呪文付いてるもんなんでしょうか。

あたしゃ心から感動しましたよ。

そして、アンパワー水上マーケット発のホタルツアーは、時期によってホタルがたくさんいたりいなかったりするけど、この宿のホタルたちは一年中お客さんたちを待っていてくれているそうです。

飲み会やパーティーには向いていません

お客3人(うち子供一人)とスタッフ3人で、お客とスタッフの数が同人数というなんだか恐縮してしまうホタル鑑賞ツアー(宿泊客だからもちろん無料!)で、魔法なひと時を過ごすことが出来ました。

大抵の事には冷めている息子も、「ホタル噛む?怖い怖い」と言いつつ感動していた様子でした。

本当に素敵だったので、超エンリッチメントなギフテッド教育ナンバーワンに勝手に認定させていただいております。

ご家族旅行に本当にお勧めの宿です。


あわせて読みたい

ただし!

このリゾート、ホタルさんたちの健康と安全が最優先事項で運営されています。

なので、消灯時間になったら外灯は全て消灯。コテージのポーチの電気も消さなければなりません。

そしてレストランや売店も日が沈むと同時に閉店。

つまり、夜が更けるとともに飲んで騒いで楽しみたい場合は、お勧めできません。

というか、お父さんお母さんが一杯やりたい場合や、若者たちでパーティー目的の場合は絶対この宿を選んではいけません。

ヤークヘンポムピットファイナジャぼくに会いたかったら電気を消してね

リゾート内にはこんなふうに、「ぼくに会いたかったら電気を消してね(ヤークヘンポムピットファイナジャ)」とホタルさんが言っている看板も立っています。

実際、タイ人のお客が友人に宿の予約を頼んで、その友人がてきとーにこの宿を予約したため、来てみたら予想していたいわゆる「リゾート」的な環境ではなかったので宿泊しないで去っていったことがある、とスタッフさん言っていました。


私たちも19時宿到着でも夕飯さえ宿では食べることが出来ず、ホタル観賞の後に近所の食堂まで真っ暗闇の中車を飛ばす羽目に。

その食堂は宿のスタッフがお勧めしてくれた所なんですが、このままナビにしたがって走らせたら絶対川に落ちる、というような真っ暗闇の中、突如として現れた光り輝くイサーン料理レストラン。なーんにもない闇の中、結構立派なレストランで多くの人でにぎわっててびっくりでした。確か「クラッシック」とかいう名前のお店で、安くてとてもおいしかったです。ただ頭の上で蚊が渦巻くほど蚊が多いので蚊対策を忘れずに。

それなりにサバイバルです

ということで、静寂とホタルを最優先できて、我が家のようにエンリッチメント教育目的であれば超おすすめな宿です。

が、ここでもうひとつ、いいですか。細かいことが気になるのが悪いクセで。

お宿自体は日本人がイメージする「リゾート」とは違います。4つとか5つとか星がたくさん並んでいる一流リゾートを期待してはいけません。

お部屋はとても清潔ですが、ある意味ローカルです。虫もいるし、イモリさんの忘れ物もトイレにあったりします。

スタッフの皆さんもとても親切で、ホタルツアーで我が家だけのために、みんなしてあれだけライト振り回して呪文唱えてくれたこともあって私たちは大満足でしたが、たとえば英語がどれくらい通じるか、となると保証できません。


この記事を読んでくれた方がもしこの宿を選んでくれたとして、せっかく一生懸命やっているスタッフのみなさんが、もしコミュニケーションの行き違いで「サービス悪い」と評価されてしまうのは悲しいので前もって言っておきます。タイではよくあるトラブルなので。

なのでローカル仕様でサバイバルできて、かつ、家族みんなで夜は早く寝る、という、ホタルのための旅を求めているみなさまには、満足していただけるお宿になると思います。


朝食も、コロナのためか完全ビュッフェではなかったけど、地元でとれた新鮮な素材を生かしたおいしいお料理がこれでもかと出てきました。パンと飲み物だけビュッフェになっているので、メインが運ばれてくる前にそこでお腹いっぱいになってしまうと後悔します。

決して宿の回し者ではありませんが、滞在中は本当にスタッフの皆さんに良くしてもらったため、「日本のみんなに宣伝しておくねー」と調子のいい事言ってしまったのでお勧めさせていただきました。

お宿の名前はBan Suan Nai Fun Talad Nam Ampawa

Talat Nam Ampawaは「アンパワー水上市場」ですが、「Ban Suan Nai Fun」は直訳してみると「夢の中のガーデンハウス」。私の勝手な訳なので宿の正式日本語名称ではないですが、まさにその名が表す通りのお宿でした。


あ、あともうひとつ、いいですか。しつこいか。

もうおわかりと思いますが、車がないと本当ににっちもさっちもいきません。最悪夕飯食いっぱぐれますのでお気を付けください。



にほんブログ村 教育ブログ ギフテッド教育へ にほんブログ村 教育ブログ IQ130以上の教育へ