バイリンガル・マルチリンガル教育①|母国語教育を優先し、英語教育はプロに任せる理由

英語教育なんてやってないで、まずは母国語の日本語をしっかりやらないと!と主張されている専門家の方も多々おられるようです。

バイリンガル・マルチリンガルを目指すならまず母国語を。

私も心からそう思います。

というかそう信じていました。

バイリンガル・マルチリンガルを目指すならまず母国語

国際結婚をしたときから、私には生まれてくる子どもへの日本語教育、母国語教育へのこだわりがありました。

二つの国籍を持っているゼノサワは、ほっといてもバイリンガルやマルチリンガルになってしまう環境にいます。

うっかりすればセミリンガルまっしぐらでしょう。

だからこそ、母親である私の母国語「日本語」を人一倍大切にしたかった。

なぜなら、日本に生まれて日本で育った日本人である私が、意識せずとも確実に、そして自然に、細かい言い回しやその背景まで教えてあげられる言語だからです。

言語を習得させるということは、その国の歴史や文化も丸ごと伝えることができます。

日本語でしか表せない日本人ならではの感じ方や考え方、日本人特有のふるまいや作法なども、毎日の会話を通して伝えることができるのではないかと思っています。

「国際人」という国籍はない

国際的なコミュニティであればあるほど、日本人としてのアイデンティティを意識させられます。

「国際人」という国籍はありません。

それぞれのバックグラウンド、アイデンティティを持った人たちが集まって国際的な場が形成され、そこに参加して活躍できる人、というのが「国際人」ではないでしょうか。

そしてアイデンティティうんぬん以前に、豊かな思考力を養うためにも母国語力は重要です。

貧困な語彙では理解力、読解力も低下し、考え方も浅はかで短絡的なものになります。潤沢な語彙力と表現力が深い思考を可能にする。思慮深くなれる。言葉は論理的な思考力の元になります。

親が英語で話しかける家庭に感じた違和感

といった具合の崇高でえらそうな志を胸にバンコクの街に出ると、母国の言語があるけどあえて英語を選んでらっしゃるらしき保護者の皆様が、英語でお子様に話しかけている風景にちらほら遭遇します。

タイ人のご家族だけでなく、日本人のご家族でも見たことがあります。

日本ではあまり見ない光景ではないでしょうか。

もしかして都会では普通の事で、うちの実家が田舎なだけなのか?

バンコク在住のタイ人ご家族に至っては、インターナショナルスクールやバイリンガルスクールも多いことから、英語に力を入れているご家族に遭遇する率が高いんでしょうね、きっと。

しかし。

どこの国の人であっても明らかにネイティブレベルの英語を話している場合は聞けばわかりますし、その場合はその豊かな英語力を伝授してあげることができていいなあ、と純粋にうらやましくなるだけですが、バンコクでよく遭遇するのは、失礼を承知で言えば、わざわざつたない英語を子どもに浴びせているパターンです。

ハイソなタイのお母様に多い。そして日本人ママだと、海外に出てきて英語の世界がキラキラしてみえるビギナーさんや、はたから見ると「?」なんだけど、本人的には「私英語しゃべれるの!」という自負がある人。

そんでそういう人たちに限ってなんだか声が大きいし、なんだろ、聞いてもらいたいのかね、まわりのみんなに。

本当にひどいのになると”Sit! Sit!(座れ!座れ!)”とか”Eat! Eat!”(食べろ!食べろ!)”とか、もう単に単語を繰り返しているだけ。

一体どこを目指しているんだろうか。

とにかく、他人様の英語力をとやかく言える身分ではございませんし、人んちの事なので本当に余計なお世話なんですが、そんなXXな英語で話しかけるくらいなら、母国語で話せば、もっと奥行きのある豊かな言語力で伝えてあげることができるのに、そしてそれは大切なお子様が受け取ることができる貴重な財産なのに、などと、意識だけは高いつもりでいた昔の私は思っていました。

今でもその考えは変わりません。だから私は子どもに話しかけるときは日本語一択です。

バイリンガル・マルチリンガル教育の理想と現実

でも同時に、現実と理想は違うのも、各々の事情があるのも今はわかる。

例えば、両親ともに日本人だけど子どもは絶対に英語圏で生活してずっと英語圏にいさせる、日本なんか眼中にない、くらいの気合が入っている場合なんかは徹底的にその国の言葉に統一してしまうのも一理あり、というかそうするしかない場合もあると思う。

そしていくら「完璧な日本語」を伝授しようとしても、家の中にいろんな国籍な人がいたり、学校も社会もダイバーシティーにあふれすぎている環境にいたりすると、会話をしているうちに何か国かが混じっちゃうのは仕方のないことなのね。

実際結局のところ、我が家では必要以上の言語が飛び交っている始末です。

日常生活は、語学の練習に集中してすごせる状態ばかりではありません。同じ言語をしゃべっていても、夫婦なんか意思疎通できなくてケンカになりませんか?

語学を習得するために「留学」とかだれかのおうちに「ホームステイ」しているのと違って、現実の結婚生活と怒涛の子育ての中、日々のあれこれに対処し日常を回し、子どもの学校のこととか外から問題が入ってきたら夫婦でスクラム組んで戦闘態勢に入らなければいけない、そんなせっぱつまっている状態では言語をどれにするか、なんて悠長に考えている場合ではない。

相手に確実に伝えたいときには確実に相手が知っている単語で伝えようとするし、英語とか日本語とかどの国の言葉とかもう関係なくその事柄に対して一番最初に浮かんだ言葉、そしてニュアンスが双方にとって一番理解しやすい言葉が口をついて出てくるので、主語が英語で装飾語がタイ語、なんていう会話はしょっちゅう。

私から子どもにはなるべく最初から最後まで正しい日本語でしゃべるようにはしていますが、それでも英語の方がお互い確実に知っていてニュアンスの伝わる単語がでてくるのでやっぱりその辺混じってしまう。英語の単語の後にあえて日本語で言い直したりして日本語の語彙の足しにはしてますが、普段の会話でずっとそれやってると会話のリズムが崩れるし、めんどくさくて放置してしまうときの方が多い。

夫は夫で、まだタイ語をあきらめていないのでタイ語で頑張って話しかけるけど、本当に必要な内容はゼノサワに確実に伝わる英語。

なので常に3か国語同時進行の毎日。

3人でしゃべってるときなんか本当にごちゃまぜで、そんな時は私の未熟な英語やへんてこなタイ語がゼノサワに降り注ぐわけで、「XXな英語で」なんて人のこと笑っている資格なし。

マルチリンガルっちゃあマルチリンガルなんですけど、「バイリンガル教育」「マルチリンガル教育」としては理想通りにはなってないです。

母国語は、その国の文化や歴史までまるごと伝えてあげられる「財産」

それでもやっぱり、わざわざつたない英語で話しかける、ってのはいまだに首をかしげます。

っていうか、聞いていて恥ずかしくないですか。

それは例えば、私が、自分では合っていると思っているんだけど厳密に言うと実はちょっとインチキなタイ語で子どもに話しかけると夫が嫌がるのと同じだと思うし、反対に夫が覚えたての変な日本語で子どもに話しかけても、いや母国語にしてくれと私は思うし。

それが英語だと世間的になんだか格好いいことになるのかね。

日本で子どもをバイリンガルに!英語しゃべれるようにさせたい!ってお母さん、特にお母さんがちょっと英語頑張ってちょっと英語しゃべれる場合にありがちだと思うんですけど、バイリンガル教育のために頑張って子どもとの日常会話を英語してる、っていうケースもなきにしもあらずだと思うんですが、それはプロに任せた方がいいと私は思う。大切な母国語を深くしっかり伝えて、まずは母国語でしっかり思考できるようにしてあげたほうが「地頭」がよくなるだろうし、英語を将来しゃべれるようになったときに、ちゃんとした「内容のある英語」を話せるようになるのではないでしょうか。

「何語」をしゃべる、ではなく、「何」を話せるのか。

バイリンガル・マルチリンガルってもてはやされがちですが、いくらバイリンガルでもマルチリンガルでも、話す内容が空っぽじゃ意味がないのでは。

それで結局、英語はやったほうがいいか

で、英語自体必要かどうかといえば、そりゃもちろんできた方がいいに決まってます。

特にギフテッドであれば、ジョンズ・ホプキンスCTY(Johns Hopkins Center for Talented Youth)をはじめ世界中の(英語でやってる)ギフテッドプログラムにつながることができるし、世界中のサイト、YouTubeなんかの動画も含めて、良質な情報をどんどんピックアップして吸収していけるし。

うちがギフテッド判定していただいたドクターには、CTYのほかにも無料のKhan Academyなんかもおすすめされました。

Khan Academyは無料で好きなだけ勉強できるプラットフォームなので、好きなだけ先取りして好きな勉強ができます。

日本語バージョンもあるような気がしますが、英語ならオリジナル版で全てのコースをガンガン学べます。

あと、サイエンス関連の知識なんかは、ゼノサワなんかほとんどYoutubeのKurzgesagt – In a Nutshellで出来上がっているといっても過言ではありません。

字幕版もあるみたいだけど、幼稚園くらいから夢中で見てるので、そのくらいから「夢中」になれたのはやっぱりオリジナルの英語でそのまま見て楽しめたから。

英語ができることによって、ギフテッドにとって必要な機会をゲットできる可能性が桁違いに広がります。

だからもちろんできるほうがいい。

ただ、やるなら徹底的にプロ(ネイティブ)に任せた方がいいということ。

インターナショナルスクールの先生方、これは受験しただけのとこも受かったとこも、幼稚園でも学校でもどこでもほとんどのところでいわれたのが、「学校は英語でも家では自国語推奨」ってことでした。

それは本当にそれがいいと思う。

それにそもそももったいないじゃん。

日本語ってすごいんだよ。

世界で有数の難しい言語のひとつよ。

それを日本人であれば無意識のうちに完璧にマスターしているわけで、そしてほっといてもその完全無欠な日本語を子どもに伝授することができる。

子どもに英語を学ばせたいってことは将来国際社会に送り出したいってことなんだろうけど、国際社会でこそ、ほかの国の誰よりも自分の国のこと、そして自分の国の言葉を熟知していることが、格好いいと私は思う。

SCAT対策 参考教材
SCATは、アメリカの大学が運営するギフテッド教育プログラムで、 応募・選抜の際に用いられるテストです。※対象:小学生~中高生
SCAT公式形式 120問フルレングス問題集
本番と同形式・同ボリュームで全体像をつかむための総合問題集
SCAT Elementary 練習問題集(小2–3)
低学年向け。SCAT形式に無理なく慣れるための基礎練習
SCAT Intermediate 練習問題集(小4–5)
思考スピードと正確性を同時に鍛える中学年向け
SCAT Advanced 練習問題集(小6–中高)
高学年〜中高生向けの実戦レベル演習
SCAT Verbal(言語)特化問題集
語彙・類推問題が弱点の場合の集中補強用
SCAT Quantitative(数的)特化問題集
数的処理のスピード・形式慣れを重点的に強化