海外子育ての日本語教育②|漢字習得と我が家流ブルートフォース

タイのインターナショナルスクールの日本語クラスには賛否両論ありましたが、前の記事で書いた通り、我が家としては概ね満足していました。

もちろん、日本語クラスだけで日本語教育が完結したわけではありません。

特に漢字については、学年相当の力を身につけさせようと思うと、結局かなりの部分を家で何とかすることになりました。

漢字の習得は我が家流ブルートフォース

ジョンズ・ホプキンス大学CTYギフテッド教育プログラム(Johns Hopkins Center for Talented Youth)選抜テストSCATのVerbal(言語)セクション対策に特化した、小学2〜3年生向けの問題集です。SCAT・CTYは日本からオンラインで受験・受講が可能です。この教材は、オンラインのSCAT練習問題が無料で利用できます。書籍を購入しなくても、商品ページのリンクからお試しできます。

母国語第一主義の我が家で日本語方面で一番力を入れていたのは、とにかく漢字。

だって漢字の習得は一朝一夕ではできない。膨大な時間の積み重ねで詰め込むしかないものです。

ゼノサワの場合は視空間認識力99.8パーセンタイルの超視覚優位型ギフテッドなこともあって、一度見ただけで覚えるフォトグラフィックメモリーがあるみたいねえ、と先生に言われたことはあるのですが、それが発動するのは夢中になっている案件に限るようで、興味のないものは、よっぽどエンジンがかからないと覚え始めない。

テスト前とかに、やるぞ、とギアが入ると確かに、ああ、こりゃ確かに視空間認識力99.8パーセンタイルだわねえ、というはたから見ても驚異的な記憶力を発揮するんですが、その気がないときは徹底的にやる気なし。

もし何かの事情で日本へ戻ることになったとき、漢字の習得を一から始めることになるのだけは避けたかった。

いくらギアが入って人よりは覚えるの早かったとしても、そんな余計な負担はかかるような状況にはしたくなかった。

でも、日本語クラスの漢字は全くあてにならなかった。

あの授業だけで学年相当の漢字を身につけさせるのは到底無理。

なので、結局うちでやりました。

市販のドリル(うんちドリルもやってみたよ)購入、足りなくなればちびむすドリルをダウンロード。

そういえば『唱えて覚える漢字の本』なんてのも買ったな。

書き順を唱えて覚える本なんだけど、私は漢字の書き順て地味に大事だとおもうのよ。

だから小学1年生から6年生まで全巻揃えて、(私は)かなりやる気満々だったな。

とにかく絵がかわいくて親子で眺めて楽しんでた思い出がある。

実際に唱えて覚える、という本来の使い方もやった記憶は一応あるけど、そのやり方で利用したのは一年生のを途中くらいまでで、あとはもっぱら「部首」を確認する辞書代わりになっていた。

学年ごとに一冊ずつ分かれているので、1年から6年までが一冊に集約されている小学生用漢和辞典より使い勝手が良かったらしい。

で、結局漢字の習得そのものは、王道で地道な方法。

普通にドリルで反復練習です。

ただ、年がら年中やらせるわけではなく、外出するときにいつもドリルを切り取ったものやダウンロードしたプリントを数枚カバンに忍ばせておいて、ちょっとした待ち時間や空き時間に一枚やる。

フードコートでやってたら、知り合いの日本人親子が通りかかって、こんなとこでまで勉強してんの、と馬鹿にされたけどかまわずやる。

こんなとこでまで勉強してんの、ではなく、こんなとこでだけ勉強してるんです。

家に帰ってからまでドリルなんてやらせないの。

家では完全自由時間、ゲームしててもいいし、勝手に何か研究してるのがいいんです。

だから勉強は何かの待ち時間とかにさっと終わらせる。

外で一枚終わればその日は終わり。できなかった日は仕方ないから家でやるけど、それでも一枚。

重要なのが、いっぺんに沢山の量をこなすわけではなく、一日一枚で完了。

その一枚を、わざわざ時間を作って改まってやるのではなく、隙間時間にさっと出してさっとやらせて、その日の目標(ドリル一枚)達成したらそのことはもう忘れる。

まだできるじゃん、とか言って増やさない。

それが我が家流ブルートフォース。

その我が家流ブルートフォースでやり方あってたのかどうなのか、だってギア入っていない状態で無理やり書かせてたわけで、今考えると無茶してた気もするけど、結果的に常に学年より一年上のレベルの漢検に合格してたからよしとしましょう。満点で合格したこともあったから一応成果はでていたらしい。

満点で合格した時は、通っていたインターナショナルスクールのフェイスブックに載せていただいて祝ってもらえたし。

こんなふうなちょっとした成功を学校取り上げていただいて、認めていただける機会をいただけたのも、日本語クラスの先生との関係がよかったおかげです。日本語クラスの先生が学校の広報部に報告してくれたんです。

前回の記事で触れた、通りすがりに「日本語クラスなんてまだやってんの」と台詞を吐いていくアンチ日本語クラス勢にもめげずに続けてよかった。

いや、ゼノサワ本人はそんなこと知らないし気にしてないので、めげるもなにもなく楽しく日本語クラスやっていただけなんですが、親的には、自分の判断を信じて続けてよかったなと思っています。

そうしてこつこつ積み重ねたおかげで、帰国して日本の小学校転入しても全く困ることはありませんでした。

勝手に覚えていたひらがなとカタカナ

ジョンズ・ホプキンス大学CTYギフテッド教育プログラム(Johns Hopkins Center for Talented Youth)選抜テストSCATのQuantitative(数量)セクション対策に特化した、小学2〜3年生向けの問題集です。SCAT・CTYは日本からオンラインで受験・受講が可能です。この教材は、オンラインのSCAT練習問題が無料で利用できます。書籍を購入しなくても、商品ページのリンクからお試しできます。

ちなみに、ひらがなとカタカナは、幼稚園入る前だったか、「あ」「い」「う」、ぐらい書かせてみたけど書く練習嫌がって一回で強制終了。

「を」とか「ん」なんてたどり着いていない。

なのになぜか幼稚園くらいで全部読めるようになっていて、インターの幼稚園だから日本語なんか縁がないし、書き順なんてどうやって覚えたのかいまだに謎です。

強いて思い当たるのは胎教から引き続いてやってたひらがなカードかな。

昔読んだ「これやったら生まれてきた子供が高IQだった」系の本のやり方で、ひらがなカードを作って「あ」っていいながら「あ」の字をなぞるの。

おなかにいるときにそれやってて、産まれてからも続けてやってたのね。ちなみにおなかにいたときはもちろん、出てきた後も、なぞるのも発音するのも私で、本人は見てるだけ。

書き順まで自然に身についていた理由として思い当たるのは、本当にそれくらいしかない。

そしてちゃんと教えてない証拠に、日本に帰ってきて日本の小学校にはいって、カタカナがちょっと怪しいことが判明した。

日本語クラスで得たもの

ジョンズ・ホプキンス大学CTYギフテッド教育プログラム(Johns Hopkins Center for Talented Youth)の選抜テストSCATに対応した、小学4年生・5年生向けの練習問題集です。詳しい解説が付いた、本番と同じ形式のフルレングステストが3回分収録されています。SCAT・CTYは日本からオンラインで受験・受講が可能です。

さて、賛否両論の日本語クラスですが、結局日本の学校レベルの漢字の授業はしないものの、個々のレベルに合わせた課題は与えてくれるので、それぞれがマスターしている漢字のレベルに合わせた課題を出してくれてはいました。なのでブルートフォース用の漢字練習の機会がそこでもプラスされてました。

ただここでは、ただ自分で練習する機会が増えるだけで、「ちゃんと教えてもらえる」ことはなかった。

これ、すごい大きいポイントなんです。

学校教育って素晴らしい

帰国後に日本の学校に行って「ちゃんと」日本語を日本の学校の授業で習い始めた時に「漢字ちゃんと教えてもらえるからわかりやすいし覚えやすい」といってものすごく喜んでいたので、漢字ってちゃんと教え方があるんだね、やっぱりプロはすごいね、量こなすだけが能じゃないんだね、となんだか感動。

漢字ってひたすら覚えるんじゃなくって教えてもらうものなんだね、ってここで初めて知った母。

母自身も日本で育って日本の小学校の小学生だったし同じように教えてもらっていたんだろうけど、知らず知らずのうちに漢字を身に着けていてどのように身に着けたなんて全く記憶にないので、このインターと日本の学校両方での漢字習得過程を知って、改めて、日本の学校ってすごい、というかプロってすごいなあと感心したもんでした。

なので、インターの日本語クラスの先生がおっしゃっていた、「漢字は自分でできるもんだから外でやって」ってのも必ずしも誰にでもできるもんでもない。

なので、ゼノサワの場合はブルートフォースでも効いたけど、ちゃんと学べる場所で教えてもらったほうがいい場合もあるだろうし、その辺のやり方は子どもの特性にあわせて考えた方がいいとは思う。

つまり、ブルートフォースでどうにかはなった。でも、どうにかなっただけで、ベストな方法だったかというとまた別の話。

それから、ブルートフォースが通用するのは小学生まで。子どもによっては小学校中学年まで。

反抗期に入ったらブルートフォースなんてとてもじゃないけど通用しないので、小さいうちがチャンス。

子ども特性を見極め、成長に伴う変化も見定めて、あ、無理だな、と思ったら潔く撤退することも大切です。

視覚優位型ギフテッドの漢字の覚え方

ちなみに、ゼノサワの場合漢字を画像で脳内に蓄積しているのがよくわかる。

漢字はパーツの組み合わせだから、この漢字はこの画像とこの画像の組み合わせだ、みたいな感じで書いてるのをよく見る。

うろ覚えの漢字を書くときも、脳内にあるピンボケの画像を出力しようとしているのがわかる。

そして、日本の小学校で漢字を「ちゃんと教えてもらって」覚えやすくなったっていうのを聞いて、これまさに視覚優位型ギフテッドの「全体像を捉えてから細部を理解する」に通じてるのではないかと私は思った。

「全体像を捉える」って英語だと「A-HA」、つまり「あっ、わかった!」と全体像がつながる瞬間のことなんだそうです。「なるほどー」と全体像を把握することによって細部も理解する。

漢字も、ちゃんと教えてもらうときに全体像をちゃんと教えてもらえてるんじゃないのかな。

どんなふうに教わってるのか知らないけど。それで「A-HA」と納得することになって、我が家流ブルートフォースより覚えやすいのではないか。

そう考えるとほらやっぱり、我が家流ブルートフォースは文字通り無理やりなブルートフォースだったわけですよ。

どうにかそれで乗り越えはしたけど、フォトグラフィックメモリーといっても、ただ見ただけで写真のようにすべてを細かく覚えつくすサバーン系とはちょっと違うのではないか。

「A-HA」理論でフォトグラフィックメモリーが発動するのかも。

だから興味があることは自分から全体像を把握しに行くから勝手にフォトグラフィックメモリーが発動してるんじゃないか、と近頃思う。